現在、世界のトップダンサーは、イギリス、イタリア、ロシア、北欧、等々、様々な国籍ですが、以前はダンスの本場と言えば、イギリスといったイメージでした。
私達も初めての留学先は、やはりイギリスでした。
胸をときめかせてレッスン場を訪れ、昼はレッスン、夜は練習という毎日ですが、お休みの日や、遠くのスタジオにレッスンに行った帰り道に、古い小さな村に立ち寄る事が有りました。
ロンドン郊外には中世の面影を残している素敵な町や村が多く残っていて、特にコッツウオルズと呼ばれる地域には、幾つかの雰囲気の良い古い村々が、緑の中に点在しています。
今よりずっと小柄な人々が住んでいたであろう木や石の小さな家々や、石畳の道の風景は、幼い頃に読んだ童話の世界を、思い出させてくれます。
私にとって、この国の長いダンスの歴史と同じ位に、田舎の美しい村々は、イギリスを魅力的に感じさせてくれます。
久しぶりに、ロンドンで年明けを迎える折、せっかくなので二人で起きていましょうという事になり、
眠い目をこすりこすり、うとうとしながら１２時少し前に ホテルの外へ出て、どこかのパブに入ろうと思いましたが、全てのパブとレストランのドアの前の看板に、チケットオンリーと書かれており、お店の中では、事前チケットを購入したカップルや家族が、きれいに飾り付けされた店内で、楽しそうにはしゃいでいました。
お店ごとに雇っているバンド演奏も行なわれており、その様子を窓の外から眺め歩く私達は、まるでマッチ売りの女子の気分でした。
けれど、１２時丁度になったとたん、あちらこちらから一斉に花火が上がり、往来を歩いている人々も口々に、ハッピーニューイヤーと声を掛け合ってすれ違って行きました。
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